気道病変を伴った Stevens-Johnson 症候群例
Stevens-Johnson 症候群や中毒性表皮壊死症 (Toxic Epidermal Necrolsis: TEN) の多くは薬剤が誘因で発症する重症疾患であり, 今回上気道病変を伴った重症の Stevens-Johnson 症候群の1例を経験した. 症例は57歳男性. 受診の7日前から咽頭痛や頸部リンパ節腫脹など感冒症状を自覚した. 受診の5日前に前医を受診し急性上気道炎を診断されレボフロキサシンとロキソプロフェン処方された. 服用開始から2日後から発熱・咽頭痛の増強および全身の皮膚病変呼吸苦を認め Stevens-Johnson 症候群が疑われ当科を紹介された. 全身の皮疹・口腔病...
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Published in | Stomato-pharyngology Vol. 28; no. 2; pp. 211 - 217 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本口腔・咽頭科学会
10.06.2015
Japan Society of Stomato-pharyngology |
Subjects | |
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ISSN | 0917-5105 1884-4316 |
DOI | 10.14821/stomatopharyngology.28.211 |
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Summary: | Stevens-Johnson 症候群や中毒性表皮壊死症 (Toxic Epidermal Necrolsis: TEN) の多くは薬剤が誘因で発症する重症疾患であり, 今回上気道病変を伴った重症の Stevens-Johnson 症候群の1例を経験した. 症例は57歳男性. 受診の7日前から咽頭痛や頸部リンパ節腫脹など感冒症状を自覚した. 受診の5日前に前医を受診し急性上気道炎を診断されレボフロキサシンとロキソプロフェン処方された. 服用開始から2日後から発熱・咽頭痛の増強および全身の皮膚病変呼吸苦を認め Stevens-Johnson 症候群が疑われ当科を紹介された. 全身の皮疹・口腔病変・喉頭に粘膜病変を認めた. 皮膚症状, 粘膜症状, 病理組織学的検査所見, 呼吸器病変より重症 Stevens-Johnson 症候群と診断した. ステロイドパルス療法後に全身の皮膚病変と気道病変は軽減し, 眼病変を含む後遺症は回避された. リンパ球幼若化試験では, 薬剤は否定された. |
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ISSN: | 0917-5105 1884-4316 |
DOI: | 10.14821/stomatopharyngology.28.211 |