著明な口蓋扁桃肥大により呼吸障害・哺乳障害を呈した乳児の1例

右口蓋扁桃の著明な肥大により, 呼吸障害と哺乳障害を呈した乳幼児症例を経験した. 症例は生後4ヵ月の女児で, 生後1.5ヵ月頃から吸気性喘鳴, 陥没呼吸が出現し, 3ヵ月健診で体重増加不良, 右口蓋扁桃肥大を指摘された. 精査にて慢性的な呼吸障害と哺乳障害を認めた. さらに呼吸状態の悪化と体重減少を呈したため, 生後5ヵ月で気管切開術を, 13ヵ月で右口蓋扁桃摘出術を施行した. 外科的な治療にて呼吸障害と哺乳障害は改善し得た. 乳児期に片側の口蓋扁桃肥大により慢性的な呼吸障害と哺乳障害を生じることは稀である. 本症例の治療経過について検討し, 文献的考察を加えて報告する....

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Published in口腔・咽頭科 Vol. 29; no. 2; pp. 163 - 167
Main Authors 横山, 侑輔, 新堀, 香織, 馬場, 洋徳, 橋本, 茂久, 渡辺, 順
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 10.06.2016
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Summary:右口蓋扁桃の著明な肥大により, 呼吸障害と哺乳障害を呈した乳幼児症例を経験した. 症例は生後4ヵ月の女児で, 生後1.5ヵ月頃から吸気性喘鳴, 陥没呼吸が出現し, 3ヵ月健診で体重増加不良, 右口蓋扁桃肥大を指摘された. 精査にて慢性的な呼吸障害と哺乳障害を認めた. さらに呼吸状態の悪化と体重減少を呈したため, 生後5ヵ月で気管切開術を, 13ヵ月で右口蓋扁桃摘出術を施行した. 外科的な治療にて呼吸障害と哺乳障害は改善し得た. 乳児期に片側の口蓋扁桃肥大により慢性的な呼吸障害と哺乳障害を生じることは稀である. 本症例の治療経過について検討し, 文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.29.163