難治性口腔咽頭潰瘍で受診した症例の検討

今回我々は, 2008年4月から2013年5月までに難治性口腔咽頭潰瘍を主訴に当科を受診した症例12例を対象に検討をおこなった. 12例中7例で原因疾患を確定し, Behçet 病3例, Crohn 病2例, Stevens-Johnson 症候群1例, 尋常性天疱瘡1例であった. この7例中6例において皮膚症状か消化器症状が認められ, 皮膚生検や消化管内視鏡検査所見で確定診断をつけることができた. 難治性口腔咽頭潰瘍においては, 口腔咽頭所見だけでなく皮膚症状や消化器症状も慎重に観察していく必要があると考えられた. また, 自験例では診断がつくまでに最長で24ヵ月経過している症例もあり, 長...

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Published in口腔・咽頭科 Vol. 27; no. 2; pp. 135 - 142
Main Authors 河村, 陽二郎, 藤居, 直和, 森, 智昭, 嶋根, 俊和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 10.06.2014
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Summary:今回我々は, 2008年4月から2013年5月までに難治性口腔咽頭潰瘍を主訴に当科を受診した症例12例を対象に検討をおこなった. 12例中7例で原因疾患を確定し, Behçet 病3例, Crohn 病2例, Stevens-Johnson 症候群1例, 尋常性天疱瘡1例であった. この7例中6例において皮膚症状か消化器症状が認められ, 皮膚生検や消化管内視鏡検査所見で確定診断をつけることができた. 難治性口腔咽頭潰瘍においては, 口腔咽頭所見だけでなく皮膚症状や消化器症状も慎重に観察していく必要があると考えられた. また, 自験例では診断がつくまでに最長で24ヵ月経過している症例もあり, 長期的な観察が必要であると考えられた.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.27.135