非小細胞肺がんペムブロリズマブ単剤療法適応症例におけるTPS別での免疫関連有害事象出現状況についての多施設共同後方視的調査研究

「緒言」近年, 免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor: ICI)の開発により, 悪性黒色腫や非小細胞肺がん, 腎細胞がんと様々ながん種において抗がん剤治療の選択肢が多様化してきている. また, ICIを殺細胞性抗がん剤と併用する治療も拡大しており, セルフマネージメントやチーム医療にて免疫関連有害事象(immune-related adverse events: irAE)を早期に発見し副作用管理を行うことが求められている. Pembroは, がん微小環境において, 腫瘍細胞上のprogrammed cell death ligand 1(PD-L...

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Published in医療薬学 Vol. 47; no. 5; pp. 239 - 249
Main Authors 北本, 真一, 水上, 皓喜, 妹尾, 啓司, 開, 浩一, 吉川, 明良, 武良, 卓哉, 阪田, 安彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.05.2021
日本医療薬学会
Subjects
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.47.239

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Summary:「緒言」近年, 免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor: ICI)の開発により, 悪性黒色腫や非小細胞肺がん, 腎細胞がんと様々ながん種において抗がん剤治療の選択肢が多様化してきている. また, ICIを殺細胞性抗がん剤と併用する治療も拡大しており, セルフマネージメントやチーム医療にて免疫関連有害事象(immune-related adverse events: irAE)を早期に発見し副作用管理を行うことが求められている. Pembroは, がん微小環境において, 腫瘍細胞上のprogrammed cell death ligand 1(PD-L1)と, 免疫細胞上のPD-1の結合を阻害し, 腫瘍細胞に対する免疫応答を賦活化させることが主な作用機序とされる, 抗PD-1モノクローナル抗体である. irAEには, 間質性肺疾患や甲状腺機能障害, 副腎皮質機能低下症などの内分泌障害, 重症筋無力症といった様々な症状があり, この出現機序については, 免疫機構のバランスが不均衡となることで発症する機序, 抗体産生や炎症性サイトカインの上昇による機序などが報告されている.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.47.239