喉頭微細手術で高度開口障害を呈した咀嚼筋腱・腱膜過形成症例
「はじめに」顕微鏡下喉頭微細手術において, 直逹鏡で十分な喉頭展開をすることは非常に重要である. その際に開口量は重要な因子となる. 今回術前に開口障害を認めなかったが, 麻酔導入後に高度開口障害を呈し, 術後に咀嚼筋腱・腱膜過形成症と診断した症例を経験した. 若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」39歳 男性 現病歴:感冒からの嗄声・咽頭違和感を認め, 近医耳鼻咽喉科を受診した. その際, 左声帯後方に腫瘤を指摘され. 当科紹介受診となった. 現症:喉頭ファイバースコープで喉頭を観察したところ, 左声帯後方に隆起性病変を認め, 喉頭肉芽腫を疑った. 音声評価はG1R0B0A1S0, 最長...
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Published in | 喉頭 Vol. 32; no. 1; pp. 58 - 62 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本喉頭科学会
01.06.2020
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Summary: | 「はじめに」顕微鏡下喉頭微細手術において, 直逹鏡で十分な喉頭展開をすることは非常に重要である. その際に開口量は重要な因子となる. 今回術前に開口障害を認めなかったが, 麻酔導入後に高度開口障害を呈し, 術後に咀嚼筋腱・腱膜過形成症と診断した症例を経験した. 若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」39歳 男性 現病歴:感冒からの嗄声・咽頭違和感を認め, 近医耳鼻咽喉科を受診した. その際, 左声帯後方に腫瘤を指摘され. 当科紹介受診となった. 現症:喉頭ファイバースコープで喉頭を観察したところ, 左声帯後方に隆起性病変を認め, 喉頭肉芽腫を疑った. 音声評価はG1R0B0A1S0, 最長発声持続時間は12秒であった. その他耳鼻咽喉科領域に大きな異常を認めなかった. 逆流性食道炎の既往はなかった. 症状改善および病理組織診断目的に, 全身麻酔下での喉頭微細手術を計画した. |
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ISSN: | 0915-6127 2185-4696 |
DOI: | 10.5426/larynx.32.58 |