嚥下運動の相変換に伴う咀嚼筋の共収縮

咀嚼から嚥下反射にいたる咀嚼筋の一連の筋活動を表面筋電図およびレーザ変位センサを用いて記録・解析した. 口腔咽頭に形態的機能的障害を認めない大学生ボランティアを対象として, パン 5-10グラムを自由に咀嚼・嚥下させた時の咬筋, 側頭筋および舌骨上筋群の表面筋電図, ならびに甲状軟骨の変位を計測した.  咀嚼中, 下顎の開閉運動に応じて開口筋である舌骨上筋群と閉口筋の咬筋・側頭筋は交代性に収縮を繰り返した. その後, 両筋群の1ないし数回の共収縮の後, 嚥下反射の惹起が観られた. 開口筋と閉口筋の共収縮により顎関節の安定性を高めることが, 嚥下口腔期から咽頭期への移行に重要な要素であると考えら...

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Published inStomato-pharyngology Vol. 28; no. 2; pp. 159 - 163
Main Authors 齋藤, 和也, 岳田, ひかる
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 10.06.2015
Japan Society of Stomato-pharyngology
Subjects
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology.28.159

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Summary:咀嚼から嚥下反射にいたる咀嚼筋の一連の筋活動を表面筋電図およびレーザ変位センサを用いて記録・解析した. 口腔咽頭に形態的機能的障害を認めない大学生ボランティアを対象として, パン 5-10グラムを自由に咀嚼・嚥下させた時の咬筋, 側頭筋および舌骨上筋群の表面筋電図, ならびに甲状軟骨の変位を計測した.  咀嚼中, 下顎の開閉運動に応じて開口筋である舌骨上筋群と閉口筋の咬筋・側頭筋は交代性に収縮を繰り返した. その後, 両筋群の1ないし数回の共収縮の後, 嚥下反射の惹起が観られた. 開口筋と閉口筋の共収縮により顎関節の安定性を高めることが, 嚥下口腔期から咽頭期への移行に重要な要素であると考えられた.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.28.159