術後悪心嘔吐の発症率と麻酔科医の予防措置決定に薬剤師による介入が及ぼす影響
「緒言」術後悪心嘔吐(postoperative nausea and vomiting: PONV)は麻酔後の一般的な合併症である. 手術患者全体の30%に発症するとされるが, 女性や非喫煙者, 動揺病や過去のPONVの既往, 術後のオピオイドの使用などがリスク因子として知られており, リスク因子を多く有する高リスク患者ではその発症率は80%にのぼることもある. PONVは患者にとって不快であるだけでなく, 麻酔後ケアユニットの滞在時間延長や, 日帰り手術における予期せぬ入院をきたす可能性があり, PONV予防は患者の苦痛を減少させるだけでなく医療費削減にも繋がる. 国外のガイドラインでは患...
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Published in | 医療薬学 Vol. 47; no. 4; pp. 179 - 184 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.04.2021
日本医療薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.47.179 |
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Summary: | 「緒言」術後悪心嘔吐(postoperative nausea and vomiting: PONV)は麻酔後の一般的な合併症である. 手術患者全体の30%に発症するとされるが, 女性や非喫煙者, 動揺病や過去のPONVの既往, 術後のオピオイドの使用などがリスク因子として知られており, リスク因子を多く有する高リスク患者ではその発症率は80%にのぼることもある. PONVは患者にとって不快であるだけでなく, 麻酔後ケアユニットの滞在時間延長や, 日帰り手術における予期せぬ入院をきたす可能性があり, PONV予防は患者の苦痛を減少させるだけでなく医療費削減にも繋がる. 国外のガイドラインでは患者が有するPONVのリスク因子の数に応じて制吐剤の予防投与や吸入麻酔薬の使用を避けるなどの予防措置をとることが推奨されているが, ガイドライン通りの予防措置を行う麻酔科医は4割に満たないとの報告もある. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.47.179 |