自転・公転ミキサーの粉砕技術に基づく錠剤破砕と経管投与法への応用
「緒言」医療技術の進歩, 医薬品や医療機器の発展は, 平均寿命の延伸や死因の変化に大きな影響を及ぼし, 我が国でも高齢者の割合が急激に増加している. このような超高齢化社会への進展に伴い, 嚥下障害のため錠剤をそのまま服用することが困難な患者が増えており, その対処法として簡易懸濁法を用いた経管投与が適用されている. 簡易懸濁法とは錠剤の粉砕あるいはカプセルの開封をせず, そのまま約55℃の温湯に崩壊させて経管投与する方法であり, 2001年に「内服薬経管投与ハンドブック」が販売後, 医療施設だけでなく在宅医療においても急速に普及し, 2006年には「調剤指針」に掲載され, 本年からは経管投薬...
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Published in | 医療薬学 Vol. 47; no. 5; pp. 225 - 233 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.05.2021
日本医療薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.47.225 |
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Summary: | 「緒言」医療技術の進歩, 医薬品や医療機器の発展は, 平均寿命の延伸や死因の変化に大きな影響を及ぼし, 我が国でも高齢者の割合が急激に増加している. このような超高齢化社会への進展に伴い, 嚥下障害のため錠剤をそのまま服用することが困難な患者が増えており, その対処法として簡易懸濁法を用いた経管投与が適用されている. 簡易懸濁法とは錠剤の粉砕あるいはカプセルの開封をせず, そのまま約55℃の温湯に崩壊させて経管投与する方法であり, 2001年に「内服薬経管投与ハンドブック」が販売後, 医療施設だけでなく在宅医療においても急速に普及し, 2006年には「調剤指針」に掲載され, 本年からは経管投薬支援料として保険点数もついている. この簡易懸濁法を用いた経管投与は, 粉砕した錠剤を経口にて投与する従来の方法に比べ, 粉砕による薬物のロスを回避するだけでなく, 嚥下障害を有する患者に安全かつ確実に投与することが可能である. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.47.225 |