パクリタキセルの用量調節により治療継続が可能となった重度肝障害を伴う同時性肝転移両側乳がんの1例
「緒言」転移・再発乳がんの治療の中心は薬物療法であり, 薬物療法は内分泌療法, 化学療法, 抗human epidermal growth factor receptor type 2(HER2)療法に大別される. これらは腫瘍のサブタイプ(estrogen receptor: ER, progesterone receptor: PgR, HER2等), 転移臓器とその広がり, 治療開始時点での症状の有無, 治療歴等を考慮して単独もしくは併用により実施される. 一般に, 内分泌療法は化学療法よりも副作用が軽度であるため, ホルモン受容体陽性乳がんの場合は, 内分泌療法が優先される. しかしな...
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Published in | 医療薬学 Vol. 47; no. 4; pp. 217 - 224 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.04.2021
日本医療薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.47.217 |
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Summary: | 「緒言」転移・再発乳がんの治療の中心は薬物療法であり, 薬物療法は内分泌療法, 化学療法, 抗human epidermal growth factor receptor type 2(HER2)療法に大別される. これらは腫瘍のサブタイプ(estrogen receptor: ER, progesterone receptor: PgR, HER2等), 転移臓器とその広がり, 治療開始時点での症状の有無, 治療歴等を考慮して単独もしくは併用により実施される. 一般に, 内分泌療法は化学療法よりも副作用が軽度であるため, ホルモン受容体陽性乳がんの場合は, 内分泌療法が優先される. しかしながら, 急速な病状の進行や広範な臓器転移等により差し迫った生命の危機がある場合においては, 化学療法を導入することが, 乳癌診療ガイドライン2018(2019追補版)(乳癌ガイドライン)でも推奨されている. 転移・再発乳がんの一次化学療法としては, タキサン系もしくはアンスラサイクリン系抗がん薬が推奨される. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.47.217 |