抗うつ薬併用下における直接経口抗凝固薬による出血リスクの検討
「緒言」直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants: DOAC)はトロンビンや第Xa因子を選択的に阻害し, トロンビン産生総量の抑制や産生速度を遅延させることで抗凝固活性を示す. DOACは, ビタミンK拮抗薬であるワルファリンと比較して, prothrombin time-international normalized ratio(PT-INR)による厳密なモニタリングを必要としない, 食事による影響がない, 服用後に速やかに効果を発現する, 薬効の個人差が少ない, 頭蓋内出血が少ないなどの利点が知られている. そのため, 各種ガイドラインにおいて, DOACは...
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Published in | 医療薬学 Vol. 48; no. 9; pp. 419 - 428 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.09.2022
日本医療薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.48.419 |
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Summary: | 「緒言」直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants: DOAC)はトロンビンや第Xa因子を選択的に阻害し, トロンビン産生総量の抑制や産生速度を遅延させることで抗凝固活性を示す. DOACは, ビタミンK拮抗薬であるワルファリンと比較して, prothrombin time-international normalized ratio(PT-INR)による厳密なモニタリングを必要としない, 食事による影響がない, 服用後に速やかに効果を発現する, 薬効の個人差が少ない, 頭蓋内出血が少ないなどの利点が知られている. そのため, 各種ガイドラインにおいて, DOACは心房細動, 深部静脈血栓症, 肺血栓塞栓症などの予防や治療に対する標準治療薬として位置づけられている. DOACのうち, リバーロキサバン, アピキサバンおよびエドキサバンはシトクロムP450 3A4(CYP3A4)を介して代謝される. また, 全てのDOACがP糖タンパク質の基質である. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.48.419 |