上顎臼歯部口蓋側に生じた周辺性海綿状骨腫の1例

骨腫は緻密骨または海綿骨の増殖による良性腫瘍で顎骨内部に生じる中心性骨腫と, 外骨膜性に生じる周辺性骨腫に分類される(中出修他:日口外誌33:971-975, 1987). 骨腫と鑑別を要する疾患としては, 非腫瘍性の骨増殖(外骨症, 内骨症)をはじめ, 慢性骨髄炎による骨増殖, 硬化性骨炎, 線維性骨異形成症, セメント質骨形成性線維腫, 根尖性セメント質骨形成症など多彩である. われわれは上顎骨腫瘍を疑いCTを撮影した結果, 上顎臼歯部口蓋側に有茎性の骨様組織を認めたことから周辺性骨腫と診断した比較的まれな症例について画像を供覧する. 患者は50歳の女性で, 左側上顎の腫瘤を主訴に来院した...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inShika Hoshasen Vol. 45; no. 2; pp. 66 - 67
Main Authors 池田, 薫, 草間, 幹夫, 神部, 芳則, 青木, 実紀, 小林, 馨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会 2005
日本歯科放射線学会
Japanese Society for Oral and Maxillofacial Radiology
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0389-9705
2185-6311
DOI10.11242/dentalradiology1960.45.66

Cover

More Information
Summary:骨腫は緻密骨または海綿骨の増殖による良性腫瘍で顎骨内部に生じる中心性骨腫と, 外骨膜性に生じる周辺性骨腫に分類される(中出修他:日口外誌33:971-975, 1987). 骨腫と鑑別を要する疾患としては, 非腫瘍性の骨増殖(外骨症, 内骨症)をはじめ, 慢性骨髄炎による骨増殖, 硬化性骨炎, 線維性骨異形成症, セメント質骨形成性線維腫, 根尖性セメント質骨形成症など多彩である. われわれは上顎骨腫瘍を疑いCTを撮影した結果, 上顎臼歯部口蓋側に有茎性の骨様組織を認めたことから周辺性骨腫と診断した比較的まれな症例について画像を供覧する. 患者は50歳の女性で, 左側上顎の腫瘤を主訴に来院した. 2~3年前から口蓋の腫瘤に気づいたが痛みはなく放置していた. 徐々に腫瘤が増大してきたため, かぜで受診した近くの内科医に相談し当科を紹介された. 既往歴として高血圧症, 脳梗塞があり抗血小板薬を内服していた. 顔貌に異常はなく, 左側上顎臼歯部口蓋側に20×15×8mmの腫瘤を認め, 「6 7は欠損し, 正中部には口蓋隆起を認めた(Figure1).
ISSN:0389-9705
2185-6311
DOI:10.11242/dentalradiology1960.45.66