患者参加型の医療安全対策への取り組み

医療者と患者が目標を共有し,患者が積極的に医療に参加することが,安全な環境づくりの第一歩であると考え,平成18年4月に「医療安全組織文化づくり宣言」のパンフレットを作成し配布した。  「医療安全組織文化づくり宣言」の内容が浸透し,実践できているか配布2か月後に看護師に,配布5か月後に入院患者にアンケート調査を行ない評価,検討した。  結果は医療者・入院患者ともに約90%の人が「宣言内容」が実施できているとの回答であった。しかし,一部の職員が実施できていないという声もあり,今後も教育の必要性を感じた。また医療者と患者の不安に対する認識に違いがあり,医療者側は「注射の内容を間違えるのでは?」という...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 56; no. 5; pp. 730 - 732
Main Authors 山本, 直人, 戸谷, ゆかり
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2008
日本農村医学会
Subjects
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.56.730

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Summary:医療者と患者が目標を共有し,患者が積極的に医療に参加することが,安全な環境づくりの第一歩であると考え,平成18年4月に「医療安全組織文化づくり宣言」のパンフレットを作成し配布した。  「医療安全組織文化づくり宣言」の内容が浸透し,実践できているか配布2か月後に看護師に,配布5か月後に入院患者にアンケート調査を行ない評価,検討した。  結果は医療者・入院患者ともに約90%の人が「宣言内容」が実施できているとの回答であった。しかし,一部の職員が実施できていないという声もあり,今後も教育の必要性を感じた。また医療者と患者の不安に対する認識に違いがあり,医療者側は「注射の内容を間違えるのでは?」という不安を持っているが,患者側は「痛みに対する不安」が強いことがわかった。  医療者も常に緊張と不安の中で医療に取り組んでいる。しかし「確認したつもり」「説明したつもり」では患者に理解されず苦情や紛争に発展してしまうケースも少なくない。  今後も患者の意見を反映した安全対策に取り組んでいく。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.56.730