同一頭位で2相性眼振がみられた頭位めまい症例

「はじめに」 誘発眼振の消失後, 逆方向に眼振がみられる場合これを眼振第2相と呼び, 視運動性後眼振, 回転刺激後眼振などでみられる. 古くはStahleらが同じ頭位を保っていると最初の眼振が消失し, その後逆方向に出現する眼振(以下2相性眼振)を認めた頭位めまい症例を報告している. しかし, 日常臨床的に2相性眼振がみられることはまれである. 今回, 赤外線CCDカメラを用いた頭位眼振検査で2相性眼振がみられた頭位めまい症例を経験した. 本症例の頭位・頭位変換眼振および, 2相性眼振の機序につき文献的考察を加えて報告する. 「症例」 症例:65歳, 女性 主訴:体動時の回転性めまい 既往歴,...

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Published inEquilibrium Research Vol. 74; no. 3; pp. 184 - 190
Main Authors 大塚, 康司, 小川, 恭生, 市村, 彰英, 鈴木, 衞
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 2015
日本めまい平衡医学会
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ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.74.184

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Summary:「はじめに」 誘発眼振の消失後, 逆方向に眼振がみられる場合これを眼振第2相と呼び, 視運動性後眼振, 回転刺激後眼振などでみられる. 古くはStahleらが同じ頭位を保っていると最初の眼振が消失し, その後逆方向に出現する眼振(以下2相性眼振)を認めた頭位めまい症例を報告している. しかし, 日常臨床的に2相性眼振がみられることはまれである. 今回, 赤外線CCDカメラを用いた頭位眼振検査で2相性眼振がみられた頭位めまい症例を経験した. 本症例の頭位・頭位変換眼振および, 2相性眼振の機序につき文献的考察を加えて報告する. 「症例」 症例:65歳, 女性 主訴:体動時の回転性めまい 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし 現病歴:2013年10月XX日起床時より体を動かすと回転性のめまいと嘔気が出現した. 蝸牛症状はなく, その他の神経症状もなかった. めまいおよび嘔気は改善せず, 当日当院初診となった. 「初診時所見」 鼓膜所見正常, 純音聴力検査は年齢相応で左右差はなく, 注視眼振はみられなかった.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.74.184