臨地実習指導に学生指導者連絡表を導入した効果について

看護教育における臨地実習は,学生がさまざまな患者と直接触れ合い多くの看護実践を経験する場となる。医療の高度化や複雑化により,学生はあらゆるニーズを持った患者に対応していくために看護実践能力の強化が求められている。臨地実習はそのような看護実践能力を培うために学内で学んだ知識と技術を統合し実践する重要な過程である。臨地実習では,病院や診療所,福祉施設で働く医療従事者が指導にあたる。指導者の資格については「原則として必要な研修を受けたものであること」1)また「実習の充実を図るためには実習指導者を専任で配置することが望ましい」2)ことが言及されている。しかし当院では,実習指導者研修を受講したスタッフが...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 69; no. 2; pp. 177 - 182
Main Authors 洞毛, 初美, 奥庭, 睦美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2020
日本農村医学会
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.69.177

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Summary:看護教育における臨地実習は,学生がさまざまな患者と直接触れ合い多くの看護実践を経験する場となる。医療の高度化や複雑化により,学生はあらゆるニーズを持った患者に対応していくために看護実践能力の強化が求められている。臨地実習はそのような看護実践能力を培うために学内で学んだ知識と技術を統合し実践する重要な過程である。臨地実習では,病院や診療所,福祉施設で働く医療従事者が指導にあたる。指導者の資格については「原則として必要な研修を受けたものであること」1)また「実習の充実を図るためには実習指導者を専任で配置することが望ましい」2)ことが言及されている。しかし当院では,実習指導者研修を受講したスタッフが少ないことに加え,勤務状況により専任の配置ではなく様々なレベルのスタッフが実習中を日々交代で指導にあたっているのが現状であった。そこでこのような状況下でも,実習目標を達成するための指導ツールとして「学生指導者連絡表」を作成し活用を試みた。その結果「実習指導者にとってのロールモデル同様の存在」「実習指導者間の連携」「実習レディネスに合わせた指導」といった実習指導者側の3つの効果が見出され,「学生指導者連絡表」の活用は個々の学生のレベルに合わせた継続的指導が実現し有用性が示唆された。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.69.177