内頸動脈閉塞を伴う巨大脳底動脈先端部近傍動脈瘤の外科治療
「はじめに」一側あるいは両側内頸動脈閉塞に脳動脈瘤を併発することが知られている3)4)10)が, このような動脈瘤の治療は動脈瘤のみを処置する場合が多い. 右内頸動脈閉塞を伴う破裂前交通動脈瘤に対し, 動脈瘤をクリッピング後STAMCAバイパスを行った報告10)はあるが, high flow bypassを行ってから動脈瘤の治療を行っている症例(くも膜下出血にて発症, 左内頸動脈閉塞を伴う脳底動脈先端部動脈瘤)は谷川ら14)が報告しているにすぎない. 一方, 内頸動脈閉塞に伴う動脈瘤はhemodynamic stressが動脈瘤の発生・形成に深く関与していることがあり, 動脈瘤が生じる部位は前...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 36; no. 4; pp. 265 - 270 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2008
日本脳卒中の外科学会 |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.36.265 |
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Summary: | 「はじめに」一側あるいは両側内頸動脈閉塞に脳動脈瘤を併発することが知られている3)4)10)が, このような動脈瘤の治療は動脈瘤のみを処置する場合が多い. 右内頸動脈閉塞を伴う破裂前交通動脈瘤に対し, 動脈瘤をクリッピング後STAMCAバイパスを行った報告10)はあるが, high flow bypassを行ってから動脈瘤の治療を行っている症例(くも膜下出血にて発症, 左内頸動脈閉塞を伴う脳底動脈先端部動脈瘤)は谷川ら14)が報告しているにすぎない. 一方, 内頸動脈閉塞に伴う動脈瘤はhemodynamic stressが動脈瘤の発生・形成に深く関与していることがあり, 動脈瘤が生じる部位は前方循環および脳底動脈周囲に多いとされている4). 脳底動脈遠位部に動脈瘤が生じた場合, 母動脈の遮断が難しくなり, 動脈瘤が大きいと治療そのものが困難となる場合も少なくない. 今回われわれは, 一側内頸動脈閉塞を伴い脳底動脈およびその近傍に生じた巨大動脈瘤を経験したので報告する. 「症例」〈症例1〉69歳女性. 頭痛にて近医を受診. 脳底動脈先端部に動脈瘤を指摘され紹介された. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.36.265 |