難治性めまい患者に対する個別リハビリテーションの効果
「緒言」 前庭機能障害患者に対するリハビリテーション(以下リハビリ)は, 1944年にCawthorne. Tが, 1946年にCooksey. FSが初めて報告して以来, 数多くの臨床研究が行われており, 姿勢安定性や固視機能, めまい感の改善に効果あることが報告されている. 一側あるいは両側の前庭機能障害は, 頭部運動に対する前庭神経の反応性が低下することで, 平衡障害や姿勢安定性の低下, 動揺視を引き起こしめまい感が誘発される. さらにめまい症状は, 不安の増加や活動の制限などの心理社会的問題を引き起こすことで症状が増悪し, めまいの悪循環に陥る. そこで前庭リハビリは, 視線を固定した...
Saved in:
Published in | Equilibrium Research Vol. 73; no. 6; pp. 521 - 527 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
2014
日本めまい平衡医学会 |
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 「緒言」 前庭機能障害患者に対するリハビリテーション(以下リハビリ)は, 1944年にCawthorne. Tが, 1946年にCooksey. FSが初めて報告して以来, 数多くの臨床研究が行われており, 姿勢安定性や固視機能, めまい感の改善に効果あることが報告されている. 一側あるいは両側の前庭機能障害は, 頭部運動に対する前庭神経の反応性が低下することで, 平衡障害や姿勢安定性の低下, 動揺視を引き起こしめまい感が誘発される. さらにめまい症状は, 不安の増加や活動の制限などの心理社会的問題を引き起こすことで症状が増悪し, めまいの悪循環に陥る. そこで前庭リハビリは, 視線を固定した状態での頭部運動やめまい感を誘発する運動, 困難なバランス課題などの繰り返しにより, 前庭神経核や小脳などの中枢神経系における代償を促すことで, 立位・歩行中の姿勢安定性や頭部運動中の固視機能を改善し, 動作・活動に対する耐性を高めて, 日常生活活動の制限を少なくすることを目的に行われる. |
---|---|
ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.73.521 |