後大脳動脈P2に対するバイパスのための頭蓋底手術テクニックの応用
はじめに 後大脳動脈P2部への血行再建は, donor arteryが何であるかにかかわらず, recipientである後大脳動脈P2部が迂回槽の深く高い位置に存在するため, 脳外科領域での血行再建としては最も困難なものである. 本稿では困難なP2バイパスを容易に行うための頭蓋底テクニックの応用とそのポイントについて検討する. P2部への到達 Zeal, Rhotonら16)によれば後大脳動脈P2部はP2aとP2pの2つに分けることができ, P2aは後交通動脈が後大脳動脈に合流する部分から大脳脚後縁までのP2部前半を指し, P2pは大脳脚後縁から四丘体外側部までのP2部を指す. P2バイパスで...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 34; no. 6; pp. 440 - 444 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2006
日本脳卒中の外科学会 |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.34.440 |
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Summary: | はじめに 後大脳動脈P2部への血行再建は, donor arteryが何であるかにかかわらず, recipientである後大脳動脈P2部が迂回槽の深く高い位置に存在するため, 脳外科領域での血行再建としては最も困難なものである. 本稿では困難なP2バイパスを容易に行うための頭蓋底テクニックの応用とそのポイントについて検討する. P2部への到達 Zeal, Rhotonら16)によれば後大脳動脈P2部はP2aとP2pの2つに分けることができ, P2aは後交通動脈が後大脳動脈に合流する部分から大脳脚後縁までのP2部前半を指し, P2pは大脳脚後縁から四丘体外側部までのP2部を指す. P2バイパスでは通常P2p部をrecipientとして用いる. P2p部をrecipientとして吻合操作を行うための十分広い術野を得るためには, 側頭葉の圧排が強くなりやすく, 側頭葉損傷の危険を伴う14)15). 側頭葉挫傷を起こすことなく, 安全にP2p部を露出し吻合操作に必要十分な術野を確保するためには, より下方から見上げることのできるアプローチを工夫する必要がある. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.34.440 |