脳血管攣縮の予防のためのnicardipine持続脳槽灌流療法の効果と灌流液のdeliveryを考慮した手術における工夫

「はじめに」くも膜下出血後の脳血管攣縮に対して, 術中t-PA洗浄3), 術後t-PA11)あるいはウロキナーゼ脳槽洗浄7)9), head shaking7)などのくも膜下出血発症早期の髄液中sapasmogensの排出を目的とした予防法およびfasudil hydrochloride17), sodium ozagrel20), triple H12)などの薬剤療法, 血管攣縮発生後の血管形成術2)や塩酸papaverineの動脈内投与14)などが行われているが, それらの有効性に対しては一致した意見が得られていない. またcoil embolizationの血管内手術後の血管攣縮発生率が...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 35; no. 3; pp. 174 - 180
Main Authors 伊東, 雅基, 遠山, 義浩, 馬渕, 正二, 杉山, 拓, 村井, 宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2007
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.35.174

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Summary:「はじめに」くも膜下出血後の脳血管攣縮に対して, 術中t-PA洗浄3), 術後t-PA11)あるいはウロキナーゼ脳槽洗浄7)9), head shaking7)などのくも膜下出血発症早期の髄液中sapasmogensの排出を目的とした予防法およびfasudil hydrochloride17), sodium ozagrel20), triple H12)などの薬剤療法, 血管攣縮発生後の血管形成術2)や塩酸papaverineの動脈内投与14)などが行われているが, それらの有効性に対しては一致した意見が得られていない. またcoil embolizationの血管内手術後の血管攣縮発生率が直達手術後のそれに比して低いことが報告されており15), 破裂脳動脈瘤に対する根治治療としての直達手術の有用性が低下しつつあるのが現状である. 強力な血管拡張作用を有するca++拮抗薬である塩酸nicardipineの髄腔内投与がくも膜下出血後の脳血管攣縮予防において有効性であることが報告されている18)19)21). 今回, 破裂脳動脈瘤直達手術後にnicardipine持続脳槽灌流を施行しその脳血管攣縮の予防効果と問題点を提示し, さらに灌流液のdeliveryを考慮した手術手技について述べる.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.35.174