新人看護師の基礎看護技術指導にe-ラーニングを導入して
平成21年12月に新たに厚生労働省が策定した「新人看護職員研修ガイドライン」における技術的側面の指導において, e-ラーニングを用いた。技術的側面: 看護技術69項目の到達度を評価し, 今後の基礎看護技術指導の課題を検討した。対象者は, 平成25年4月採用の新人看護職員 (新卒の新採用者) 53名で, ガイドラインで示される到達目標のうち, 特に技術的側面: 看護技術69項目において, 集合研修の前にe-ラーニングを用いて予習, 集合研修でシミュレーションを中心とした学習をした後, 各部署にてOJT・評価を実施した。6月, 9月, 翌年3月に到達度評価の集計とe-ラーニングの活用についてアンケ...
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Published in | 日本農村医学会雑誌 Vol. 64; no. 5; pp. 877 - 881 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2016
日本農村医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0468-2513 1349-7421 |
DOI | 10.2185/jjrm.64.877 |
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Summary: | 平成21年12月に新たに厚生労働省が策定した「新人看護職員研修ガイドライン」における技術的側面の指導において, e-ラーニングを用いた。技術的側面: 看護技術69項目の到達度を評価し, 今後の基礎看護技術指導の課題を検討した。対象者は, 平成25年4月採用の新人看護職員 (新卒の新採用者) 53名で, ガイドラインで示される到達目標のうち, 特に技術的側面: 看護技術69項目において, 集合研修の前にe-ラーニングを用いて予習, 集合研修でシミュレーションを中心とした学習をした後, 各部署にてOJT・評価を実施した。6月, 9月, 翌年3月に到達度評価の集計とe-ラーニングの活用についてアンケートを行なった。到達度評価については平成24年度の新人看護職と比較・検討した。 新人看護職員研修を終える翌年3月の段階で, 到達の目安Ⅰ: できるおよび, Ⅱ: 指導のもとできると評価した人は, 平成24年度の34.9%から平成25年度は36.5%と増加した。また, 到達の目安Ⅳ: 知識としてわかるは4.5%から23.4%と著しく増加し, 未経験及び未評価の人が29.2%から4.2%と減った。これは, e-ラーニングを活用し主体的に自分のペースで自己学習し基礎看護技術の習得に役立てていたといえる。しかし, e-ラーニングの項目立てが細かく, 実際には100項目以上の評価を行なっていること, また, パソコンの台数が限られていることやアクセスに時間がかかることなどから, 評価に要する時間や手間がかかりすぎるという課題が残された。 |
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ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.64.877 |