補体第4成分(C4)低下を伴うループス腎炎様の組織像を呈した1例

症例は14歳男児。学校検尿で血尿蛋白尿を指摘され,精査で補体第4成分(C4)値の持続的低下を認めた。家族歴に特記事項はなく,身体所見も異常を認めなかった。C4値以外の血液検査所見,画像検査は異常を認めなかった。腎生検所見で多彩な病変を認め,ループス腎炎様の所見であった。ステロイドの投与により尿所見は改善し,外来経過観察中である。C4の低下は一般人口においてもみられるが,C4の完全欠損は全身性エリテマトーデスと密接な関係にあるといわれている。現時点では国内においてC4遺伝子検査が行えないため,今後も注意深い経過観察が必要である。...

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Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 26; no. 1; pp. 122 - 125
Main Authors 伊達, 慶一, 石原, 正行, 菊地, 広朗, 松本, 学, 成瀬, 桂史, 浜田, 義文, 藤枝, 幹也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児腎臓病学会 15.04.2013
日本小児腎臓病学会
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Summary:症例は14歳男児。学校検尿で血尿蛋白尿を指摘され,精査で補体第4成分(C4)値の持続的低下を認めた。家族歴に特記事項はなく,身体所見も異常を認めなかった。C4値以外の血液検査所見,画像検査は異常を認めなかった。腎生検所見で多彩な病変を認め,ループス腎炎様の所見であった。ステロイドの投与により尿所見は改善し,外来経過観察中である。C4の低下は一般人口においてもみられるが,C4の完全欠損は全身性エリテマトーデスと密接な関係にあるといわれている。現時点では国内においてC4遺伝子検査が行えないため,今後も注意深い経過観察が必要である。
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.26.122