胆管原発Mixed neuroendocrine-non-neuroendocrine neoplasmの1例

81歳男性.発熱,黄疸の精査のため紹介となり,造影CTで遠位胆管に狭窄を認めた.ERC時に行った腫瘍生検で遠位胆管癌と診断し,膵頭十二指腸切除術を施行した.病理標本では腫瘍部位に腺癌の他,浸潤部位の免疫染色ではchromogranin A,synaptophysin及びCD56が陽性,MIB-1 index 80%と神経内分泌癌も認め,混在した腺癌成分と神経内分泌癌成分とが各々30%以上を占めており,Mixed neuroendocrine-non-neuroendocrine neoplasm(MiNEN)と診断した.その後肝転移を認め,化学療法を開始したがその20カ月後に死亡した.胆管原発...

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Published in胆道 Vol. 35; no. 1; pp. 79 - 86
Main Authors 溝口, 良順, 田中, 浩敬, 橋本, 千樹, 宮原, 良二, 葛谷, 貞二, 岡部, 麻子, 廣岡, 芳樹, 中岡, 和徳, 川部, 直人, 浅野, 之夫, 堀口, 明彦, 志村, 正博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.03.2021
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.35.79

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Summary:81歳男性.発熱,黄疸の精査のため紹介となり,造影CTで遠位胆管に狭窄を認めた.ERC時に行った腫瘍生検で遠位胆管癌と診断し,膵頭十二指腸切除術を施行した.病理標本では腫瘍部位に腺癌の他,浸潤部位の免疫染色ではchromogranin A,synaptophysin及びCD56が陽性,MIB-1 index 80%と神経内分泌癌も認め,混在した腺癌成分と神経内分泌癌成分とが各々30%以上を占めており,Mixed neuroendocrine-non-neuroendocrine neoplasm(MiNEN)と診断した.その後肝転移を認め,化学療法を開始したがその20カ月後に死亡した.胆管原発MiNENの術前診断は,画像診断や胆管生検では困難であり,その治療方針は手術療法だけでなく術前化学療法など集学的治療も考慮されているが,未だ確立されていない.今回稀な胆管MiNENを経験したため報告する.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.35.79