新鮮凍結血漿の長期保存後の凝固因子活性

新鮮凍結人血漿(FFP)のプロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間,凝固第II,V,VIII(FVIII)因子活性は,血液製剤の使用指針に記載されているが,その他の凝固因子について報告はない.そこで,成分由来FFP(FFP480)と全血由来FFP(FFP240)の品質評価を凍結前と凍結保存後(1~13カ月)に行った.保存12カ月において,凍結前活性値を100とした相対値でFFP480,FFP240ともに90を下回った凝固因子はFVIIIのみであり,その他の凝固関連項目は凍結保存により活性値が安定していた.生物学的製剤基準における凝固試験の判定基準(PT 20 sec以下)は...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 62; no. 4; pp. 545 - 551
Main Authors 栗原, 勝彦, 林, 宜亨, 寺田, あかね, 岩間, 輝, 渕崎, 晶弘, 榎本, 圭介, 小池, 敏靖, 田所, 憲治, 内藤, 祐, 金子, 祐次, 松本, 真実, 益子, 毅, 小野寺, 秀一, 茶谷, 真, 大橋, 祥朗, 佐竹, 正博, 柴, 雅之, 秋野, 光明, 森, 純平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 2016
日本輸血・細胞治療学会
Subjects
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.62.545

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Summary:新鮮凍結人血漿(FFP)のプロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間,凝固第II,V,VIII(FVIII)因子活性は,血液製剤の使用指針に記載されているが,その他の凝固因子について報告はない.そこで,成分由来FFP(FFP480)と全血由来FFP(FFP240)の品質評価を凍結前と凍結保存後(1~13カ月)に行った.保存12カ月において,凍結前活性値を100とした相対値でFFP480,FFP240ともに90を下回った凝固因子はFVIIIのみであり,その他の凝固関連項目は凍結保存により活性値が安定していた.生物学的製剤基準における凝固試験の判定基準(PT 20 sec以下)は,すべてのFFPで満たした.トロンビン生成試験は,すべての評価項目において凍結前と比較して保存13カ月で変化率10%以内であった.O型FFPのFVIII及びVWF:RCoは,O型以外より有意に低値を示したが,トロンビン生成試験結果に有意な差は認められなかった.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.62.545