急性低音障害型感音難聴の再発例, メニエール病移行例の検討

「はじめに」突発性難聴は突然発症の原因不明な感音難聴であるが, その中に難聴が125-500Hzの低音部に限局し高音部が正常に保たれる例がある. 1982年阿部はこのような難聴の診断基準を定め, 一つの疾患群として提唱した. 当初は急性低音障害型感音性難聴, 突発性低音性感音難聴, 低音障害型突発難聴, 低音型突発難聴, など様々な名称で報告されてきたが, 現在はこのタイプの難聴は急性低音障害型感音難聴(Acute low-tone sensorineural hearing loss:以下ALHL)として定着している. このALHLは比較的予後良好とされているが, メニエール病前駆期の症状と...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inEquilibrium Research Vol. 79; no. 3; pp. 148 - 155
Main Authors 岡本, 英之, 松村, 八千代, 山中, 敏彰, 藤田, 信哉, 北原, 糺
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 30.06.2020
日本めまい平衡医学会
Online AccessGet full text
ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.79.148

Cover

More Information
Summary:「はじめに」突発性難聴は突然発症の原因不明な感音難聴であるが, その中に難聴が125-500Hzの低音部に限局し高音部が正常に保たれる例がある. 1982年阿部はこのような難聴の診断基準を定め, 一つの疾患群として提唱した. 当初は急性低音障害型感音性難聴, 突発性低音性感音難聴, 低音障害型突発難聴, 低音型突発難聴, など様々な名称で報告されてきたが, 現在はこのタイプの難聴は急性低音障害型感音難聴(Acute low-tone sensorineural hearing loss:以下ALHL)として定着している. このALHLは比較的予後良好とされているが, メニエール病前駆期の症状ともいうべき蝸牛症状の反復例やメニエール病移行例が存在することが報告されている. 今回当科を受診したALHL症例を対象に, ALHLの再発例, メニエール病への移行例について検討したので報告する.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.79.148