膵神経内分泌腫瘍診断に対するソマトスタチン受容体シンチグラフィーの有用性

111In-ペンテトレオチドを用いたソマトスタチン受容体シンチグラフィー(somatostatin receptor scintigraphy:SRS)は,膵,消化管をはじめとする神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasms:NEN)の診断,転移検索,経過観察,ソマトスタチン受容体(somatostatin receptor:SSTR)の発現の確認などを目的として幅広く使用されてきた.しかし必ずしもSRS陽性がNENの診断に結びつくわけではなく,SSTRが発現せずSRSが集積しないNENがあること,SSTRはNEN以外の腫瘍でも発現すること,また膵頭部領域でSRSの生理的集...

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Published in膵臓 Vol. 34; no. 2; pp. 78 - 85
Main Authors 原, 和生, 栗田, 裕介, 松本, 慎平, 水野, 伸匡, 稲葉, 吉隆, 桑原, 崇通, 肱岡, 範, 中島, 淳, 窪田, 賢輔, 孝田, 博輝, 清水, 泰博, 鳥山, 和浩, 奥野, のぞみ, 小畑, 雅寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 25.04.2019
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.34.78

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Summary:111In-ペンテトレオチドを用いたソマトスタチン受容体シンチグラフィー(somatostatin receptor scintigraphy:SRS)は,膵,消化管をはじめとする神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasms:NEN)の診断,転移検索,経過観察,ソマトスタチン受容体(somatostatin receptor:SSTR)の発現の確認などを目的として幅広く使用されてきた.しかし必ずしもSRS陽性がNENの診断に結びつくわけではなく,SSTRが発現せずSRSが集積しないNENがあること,SSTRはNEN以外の腫瘍でも発現すること,また膵頭部領域でSRSの生理的集積がみられることなどがあるため,SRSの特徴を踏まえた上で他の臨床所見と画像検査を含めた総合的判断が必要とされる.今後のSRSの施行意義として重要なことはSSTRの発現の有無を確かめ,ペプチド受容体放射線核種療法(peptide receptor radionuclide therapy:PRRT)の適応を確認する点であり,今後もSRSの重要性は高まるものと考えられる.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.34.78