CHADS2スコアによるリスク評価と抗血栓療法の適応,展望
非弁膜症性心房細動(NVAF)患者の脳梗塞発症リスクを評価するうえで,CHADS2スコアはほかの評価法よりも簡便であり,有用性は高い.本評価法は心房細動(AF)患者の脳梗塞リスク因子の集積の度合いをスコア化したもので,米国心臓病学会/米国心臓協会/欧州心臓病学会(ACC/AHA/ESC)のガイドラインでも用いられており,適切な抗血栓療法の選択に有効である.最近改訂された我が国の「心房細動治療(薬物)ガイドライン(2008年改訂版)」では,NVAFの中等度のリスク評価に取り入れられている.本スコアに基づくリスク評価は,今後の抗血栓療法を進めていくうえでの軸になると考えられる. 一方,抗血栓療法の...
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Published in | 心電図 Vol. 29; no. 3; pp. 245 - 247 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
2009
日本心電学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.29.245 |
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Summary: | 非弁膜症性心房細動(NVAF)患者の脳梗塞発症リスクを評価するうえで,CHADS2スコアはほかの評価法よりも簡便であり,有用性は高い.本評価法は心房細動(AF)患者の脳梗塞リスク因子の集積の度合いをスコア化したもので,米国心臓病学会/米国心臓協会/欧州心臓病学会(ACC/AHA/ESC)のガイドラインでも用いられており,適切な抗血栓療法の選択に有効である.最近改訂された我が国の「心房細動治療(薬物)ガイドライン(2008年改訂版)」では,NVAFの中等度のリスク評価に取り入れられている.本スコアに基づくリスク評価は,今後の抗血栓療法を進めていくうえでの軸になると考えられる. 一方,抗血栓療法の代表的薬剤であるワルファリン適用例は,近年増加している.しかし,本剤は食事の影響や薬剤相互作用が多く,その使用頻度はまだ十分といえない.今後,AFに対する抗血栓療法の新たな時代を開く薬剤の誕生が期待される. |
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ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.29.245 |