精神疾患を伴ったメニエール病に対する塩酸パロキセチンによる治療経験

「はじめに」 メニエール病は耳鳴, 難聴, めまいを伴う内耳性疾患である. その病態は内リンパ水腫と推測されているが, 古くから心因性要因が強く関連することが知られている. そのため浸透圧利尿剤や副腎皮質ステロイド剤などの内服治療に抵抗し, 心療内科や精神科に受診し抗うつ薬や抗不安薬などを用いることも多い. 現在第一選択薬としておもに用いられている抗うつ薬には, セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitor : SSRI), セロトニン・ノルアドレナリン再取み阻害薬(serotonin and norepinephrine reupt...

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Published inEquilibrium Research Vol. 72; no. 3; pp. 171 - 175
Main Authors 久, 育男, 長谷川, 達央, 鈴木, 敏弘, 瀧, 正勝, 坂口, 博史, 山本, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 2013
日本めまい平衡医学会
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ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.72.171

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Summary:「はじめに」 メニエール病は耳鳴, 難聴, めまいを伴う内耳性疾患である. その病態は内リンパ水腫と推測されているが, 古くから心因性要因が強く関連することが知られている. そのため浸透圧利尿剤や副腎皮質ステロイド剤などの内服治療に抵抗し, 心療内科や精神科に受診し抗うつ薬や抗不安薬などを用いることも多い. 現在第一選択薬としておもに用いられている抗うつ薬には, セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitor : SSRI), セロトニン・ノルアドレナリン再取み阻害薬(serotonin and norepinephrine reuptake inhibitors : SNRI), 取り込み阻害によらないノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(Noradrenergic and specific serotonergic antidepressant : NaSSA)やスルピリドなどがある1).
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.72.171