ERCP検査時の放射線防護具の作成とその効果について

ERCP施行時の検査室内全体の散乱X線低減を目的とし,放射線防護具を作成した.この防護具は透視撮影台のコリメータカバーに,4枚の鉛防護布をベルトとマジックテープで固定して吊り下げたシンプルなものである.また,一般的に用いられているオーバーチューブ型透視撮影台であれば,多少の変更を加えることで使用することが可能である.本防護具を使用することで,検査室内スタッフ立ち位置での散乱線は1/50~2/3に低減できた.防護具からのファントム内の散乱は,防護具の無い場合に比べ約20%増加したが,入射表面線量に対しては0.6%以下の増加にとどまっていた.また,施行医の実効被曝線量は最大3.1から0.1 mSv...

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Published in胆道 Vol. 28; no. 1; pp. 59 - 65
Main Authors 木曽, まり子, 古川, 善也, 篠原, 芙美, 齋, 宏, 坂野, 文香, 松本, 能里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.03.2014
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Summary:ERCP施行時の検査室内全体の散乱X線低減を目的とし,放射線防護具を作成した.この防護具は透視撮影台のコリメータカバーに,4枚の鉛防護布をベルトとマジックテープで固定して吊り下げたシンプルなものである.また,一般的に用いられているオーバーチューブ型透視撮影台であれば,多少の変更を加えることで使用することが可能である.本防護具を使用することで,検査室内スタッフ立ち位置での散乱線は1/50~2/3に低減できた.防護具からのファントム内の散乱は,防護具の無い場合に比べ約20%増加したが,入射表面線量に対しては0.6%以下の増加にとどまっていた.また,施行医の実効被曝線量は最大3.1から0.1 mSv/month未満に,水晶体の等価線量も最大6.9から0.5 mSv/monthと大幅に低減できた.その他のスタッフ立ち位置の散乱線も有意に低減でき,安全に使用できるものと考えられた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.28.59