ロクロニウム投与後のスガマデクス投与が重症筋無力症患者の術後人工呼吸必要性に与える影響

ロクロニウムを用いた筋弛緩に対するスガマデクス投与は,重症筋無力症(MG)患者において速やかな筋弛緩状態からの回復をもたらすことが報告されている.われわれは拡大胸腺摘除術を受けたMG患者でロクロニウムが使用された症例を,スガマデクス導入以前に筋弛緩拮抗を行わなかった群(C群,15例)とスガマデクス投与群(S群,31例)に分け,術後の人工呼吸必要性を両群で後ろ向きに比較した.S群はC群に比べ,ロクロニウム使用量が多かった(p=0.011).術後に人工呼吸管理を行った症例数は,C群4例(26.7%),S群6例(19.4%)であり,人工呼吸管理を必要とした症例の発生頻度に差は認められなかった....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 40; no. 1; pp. 23 - 27
Main Authors 鈴木, 健二, 永田, 博文, 佐藤, 美浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.01.2020
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.40.23

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Summary:ロクロニウムを用いた筋弛緩に対するスガマデクス投与は,重症筋無力症(MG)患者において速やかな筋弛緩状態からの回復をもたらすことが報告されている.われわれは拡大胸腺摘除術を受けたMG患者でロクロニウムが使用された症例を,スガマデクス導入以前に筋弛緩拮抗を行わなかった群(C群,15例)とスガマデクス投与群(S群,31例)に分け,術後の人工呼吸必要性を両群で後ろ向きに比較した.S群はC群に比べ,ロクロニウム使用量が多かった(p=0.011).術後に人工呼吸管理を行った症例数は,C群4例(26.7%),S群6例(19.4%)であり,人工呼吸管理を必要とした症例の発生頻度に差は認められなかった.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.40.23