思春期と生活習慣病

「1. 小児生活習慣病」いわゆる小児生活習慣病とは, 中・高年に発症する生活習慣病が小児に発症する状態をいい, 小児期のライフスタイルの改善などにより, 予防しうる生活習慣病といえる. 一般的な概念は, 「成人になった時の状態を考慮しながら, 小児期から治療や管理をしなければならない疾患」である. 小児生活習慣病の危険因子としては, 肥満, 高脂血症, 高コレステロール, 高血圧, 家族歴, ストレス, 運動不足などがあげられる. 生活習慣病は, 主として食生活と運動不足により肥満になると起きる疾病であり, 小児生活習慣病の予防は, 子どもを肥満にさせないことである. 2. 文部科学省学校保健...

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Published in心身健康科学 Vol. 4; no. 2; pp. 97 - 102
Main Author 村木, 久美江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心身健康科学会 2008
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ISSN1882-6881
1882-689X
DOI10.11427/jhas.4.97

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Summary:「1. 小児生活習慣病」いわゆる小児生活習慣病とは, 中・高年に発症する生活習慣病が小児に発症する状態をいい, 小児期のライフスタイルの改善などにより, 予防しうる生活習慣病といえる. 一般的な概念は, 「成人になった時の状態を考慮しながら, 小児期から治療や管理をしなければならない疾患」である. 小児生活習慣病の危険因子としては, 肥満, 高脂血症, 高コレステロール, 高血圧, 家族歴, ストレス, 運動不足などがあげられる. 生活習慣病は, 主として食生活と運動不足により肥満になると起きる疾病であり, 小児生活習慣病の予防は, 子どもを肥満にさせないことである. 2. 文部科学省学校保健統計から平成19年度の文部科学省学校保健統計調査【()内は平成元年度】結果によると, 肥満度20%以上の年齢別傾向児の出現率は, 小学6年:10.58(8.44)%, 中学1年:11.07(8.51)%, 中学2年9.94(7.89)%, 中学3年:9.50(7.41)%, 高校1年:11.70%(未実施)で, 各年齢において, この18年間で2ポイント以上の出現率の増加をみている. 有効な改善策がない限り, この傾向は今後も続くことが予想できる. 平成19年度の都道府県別の肥満傾向児出現率のトップは, 宮城県小学6年:16.02%, 青森県中学1年:17.76%, 青森県中学2年:15.02%, 栃木県中学3年14.28%, 山形県高校1年:19.19%である. 中学3年の2位青森県14.08%という結果から考察すると, 東北地方の子どもに肥満傾向の割合が特に高く, このことによる生活習慣病発症の可能性も高くなることが予測できる.
ISSN:1882-6881
1882-689X
DOI:10.11427/jhas.4.97