2015年度 日本における輸血管理体制と血液製剤使用実態調査報告

2014年に日本赤十字社より輸血用血液製剤が供給された実績のある10,166施設を対象にアンケート調査を実施した.今回の回答は5,261施設から得られ,回答率は51.75%に達し,過去8回で最も高い値を示した.日本赤十字社からの総供給量との比較で,捕捉率は,赤血球製剤73.5%,血小板製剤82.1%,血漿製剤78.1%に達した.輸血管理料取得施設は輸血管理料Iが10.63%,IIが27.56%に達した.輸血適正使用加算を取得している施設は27.61%であった.日本における血液製剤の90%以上が輸血管理料取得施設で実施されていた.輸血実施予測患者数は同種血937,390人,自己血114,473人...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 62; no. 6; pp. 718 - 728
Main Authors 菅野, 仁, 牧野, 茂義, 北澤, 淳一, 田中, 朝志, 髙橋, 孝喜, 半田, 誠, 室井, 一男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 20.12.2016
日本輸血・細胞治療学会
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Summary:2014年に日本赤十字社より輸血用血液製剤が供給された実績のある10,166施設を対象にアンケート調査を実施した.今回の回答は5,261施設から得られ,回答率は51.75%に達し,過去8回で最も高い値を示した.日本赤十字社からの総供給量との比較で,捕捉率は,赤血球製剤73.5%,血小板製剤82.1%,血漿製剤78.1%に達した.輸血管理料取得施設は輸血管理料Iが10.63%,IIが27.56%に達した.輸血適正使用加算を取得している施設は27.61%であった.日本における血液製剤の90%以上が輸血管理料取得施設で実施されていた.輸血実施予測患者数は同種血937,390人,自己血114,473人であり,2012年以降で最も低い値を呈した.一病床あたりの製剤別血液製剤使用量は前年比で,赤血球製剤108.3%,血小板製剤109.1%,血漿製剤88.2%,アルブミン製剤98.1%,免疫グロブリン製剤107.8%であった.都道府県別の血液製剤・血漿分画製剤の使用状況において,一病床あたりの製剤使用量は各県で大きく異なっている.引き続き各都道府県における適正輸血の達成状況を調査する必要があると考えられた.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.62.718