Optical mappingによるspiral waveの解析

致死性不整脈である心室細動や頻拍の発生・持続にspiral waveリエントリーが重要な役割を果たしている.膜電位感受性色素を用いた心筋活動電位の光学マッピング(optical mapping)法は,心臓における興奮波伝播を高い分解能で記録することができ,spiral waveの解析に有用である.著者らは,ウサギ摘出灌流心の二次元心室筋に誘発したspiral waveの伝播と活動電位波形との関係を解析し,そのダイナミクスが,(1)興奮波の湾曲に伴う局所電流のsource/sink mismatch,(2)旋回する興奮波からの電気緊張効果,(3)心筋構築の異方性により複雑に規定されることを示した...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心電図 Vol. 29; no. 3; pp. 231 - 235
Main Authors 佐久間, 一郎, 石黒, 有子, 芦原, 貴司, 児玉, 逸雄, 山崎, 正俊, 本荘, 晴朗, 神谷, 香一郎, 堀江, 稔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2009
日本心電学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.29.231

Cover

More Information
Summary:致死性不整脈である心室細動や頻拍の発生・持続にspiral waveリエントリーが重要な役割を果たしている.膜電位感受性色素を用いた心筋活動電位の光学マッピング(optical mapping)法は,心臓における興奮波伝播を高い分解能で記録することができ,spiral waveの解析に有用である.著者らは,ウサギ摘出灌流心の二次元心室筋に誘発したspiral waveの伝播と活動電位波形との関係を解析し,そのダイナミクスが,(1)興奮波の湾曲に伴う局所電流のsource/sink mismatch,(2)旋回する興奮波からの電気緊張効果,(3)心筋構築の異方性により複雑に規定されることを示した.また,K+チャネル遮断や軽度の可逆的冷却は,spiral waveの定在化を防ぎ(unpinning),機能的リエントリーを早期に停止させることも明らかにした.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.29.231