開頭手術と血管内手術の統合手術室の使用経験

「はじめに」脳血管病変に対する外科治療は, 顕微鏡手術と血管内手術とのあいだで個々の症例における治療リスクと根治性とを考慮したうえでどちらの治療を選択するかが決定される. また, 顕微鏡手術と血管内手術とがお互いに協力しあって治療を行うというのもひとつの方向性である. この点では, 両者をともに行える手術室が開発され報告されている1)3). われわれの施設では平成19年4月開院時より, 顕微鏡手術と血管内手術とをともに施行できる統合型手術室を稼動させている. 今回, この手術室にて行った開頭術の初期経験を報告する. 「対象」統合型手術室では, 手術台を支柱のまわりで回転させることにより, 開頭...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 37; no. 3; pp. 173 - 178
Main Authors 森川, 栄治, 大井川, 秀聡, 杉山, 達也, 中島, 弘之, 小倉, 丈司, 佐藤, 章, 神山, 信也, 山根, 文孝, 石原, 正一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2009
日本脳卒中の外科学会
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Summary:「はじめに」脳血管病変に対する外科治療は, 顕微鏡手術と血管内手術とのあいだで個々の症例における治療リスクと根治性とを考慮したうえでどちらの治療を選択するかが決定される. また, 顕微鏡手術と血管内手術とがお互いに協力しあって治療を行うというのもひとつの方向性である. この点では, 両者をともに行える手術室が開発され報告されている1)3). われわれの施設では平成19年4月開院時より, 顕微鏡手術と血管内手術とをともに施行できる統合型手術室を稼動させている. 今回, この手術室にて行った開頭術の初期経験を報告する. 「対象」統合型手術室では, 手術台を支柱のまわりで回転させることにより, 開頭術・顕微鏡下脳外科手術, 脳血管内手術・脳血管撮影(Axiom Artis dBA, SIEMENS), CT scan(SOMATOM Sensation 40 Open, SIEMENS)を患者を台から移動させることなく施行することが可能である(Fig. 1). 開院後1年の間にこの手術室で開頭・顕微鏡手術を行った症例の検討を行った.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.37.173