当院でのクリオプレシピテート使用患者における乏クリオ使用実績

【はじめに】大量出血時の凝固障害による後天性低フィブリノゲン血症に対し,院内調製クリオプレシピテート(以下クリオ)の使用が広がっている.クリオは止血効果に優れるが,作製時に生じるクリオ上清血漿(以下乏クリオ)は廃棄される施設が多い.当院ではクリオ使用患者に対し,病態に応じて乏クリオの使用を推奨している.【対象】2016年4月~2018年6月にクリオを供給した全111例でクリオと乏クリオの使用状況を検討した.【結果】111例に対し262袋のクリオが供給され,105例に223袋(袋当たり実施率85.1%)が使用された.内訳は人工心肺使用手術77例(使用75例):160/174袋(実施率92.0%)...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 65; no. 3; pp. 584 - 586
Main Authors 廣田, 和美, 玉井, 佳子, 大和, 美都, 阿島, 光, 小山内, 崇将, 内田, 亮, 金子, なつき, 伊藤, 悦朗, 田中, 一人, 北山, 眞任, 福田, 幾夫, 山形, 和史, 久米田, 麻衣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 25.06.2019
日本輸血・細胞治療学会
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.65.584

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Summary:【はじめに】大量出血時の凝固障害による後天性低フィブリノゲン血症に対し,院内調製クリオプレシピテート(以下クリオ)の使用が広がっている.クリオは止血効果に優れるが,作製時に生じるクリオ上清血漿(以下乏クリオ)は廃棄される施設が多い.当院ではクリオ使用患者に対し,病態に応じて乏クリオの使用を推奨している.【対象】2016年4月~2018年6月にクリオを供給した全111例でクリオと乏クリオの使用状況を検討した.【結果】111例に対し262袋のクリオが供給され,105例に223袋(袋当たり実施率85.1%)が使用された.内訳は人工心肺使用手術77例(使用75例):160/174袋(実施率92.0%),人工心肺未使用手術19例(使用15例):32/49袋(同65.3%),手術以外緊急15例(使用15例):31/39袋(同79.5%)であった.乏クリオも使用されたのは,それぞれ147/174袋(併用率91.9%),15/32袋(同46.9%),14/31袋(同45.2%)であった.【考察】6例では乏クリオを使用せず等張アルブミンを使用していた.診療科との連携を深め,乏クリオの有効利用を推奨していく.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.65.584