感染源同定に苦慮した敗血症性ショックの1例―敗血症治療のガイドライン
初療室で:呼吸困難, 意識障害を主訴に75歳男性が救命センターに搬送されてきた. 既往に心筋梗塞, 小脳梗塞, 前立腺肥大があり, 当院外来通院中の患者であった. 2, 3日前より食思不振, 軽い息切れがあり自宅で様子を見ていたが, 呼吸困難が増悪, 意識状態が悪くなり, 冷汗, 失禁を認めたため, 家族が救急車を要請した. 来院時の意識状態はJapan Coma Scaleで3, 血圧74/42mmHg, 心拍数159回/分, 呼吸数54回/分, 体温36.8℃とショック状態であった. 身体所見は発汗著明で, 失禁を認め, 呼吸苦が強く詳細な問診は不可能であったが, 頭痛, 胸痛, 腹痛など...
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Published in | 日本医科大学医学会雑誌 Vol. 1; no. 3; pp. 135 - 139 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2005
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ISSN | 1349-8975 1880-2877 |
DOI | 10.1272/manms.1.135 |
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Summary: | 初療室で:呼吸困難, 意識障害を主訴に75歳男性が救命センターに搬送されてきた. 既往に心筋梗塞, 小脳梗塞, 前立腺肥大があり, 当院外来通院中の患者であった. 2, 3日前より食思不振, 軽い息切れがあり自宅で様子を見ていたが, 呼吸困難が増悪, 意識状態が悪くなり, 冷汗, 失禁を認めたため, 家族が救急車を要請した. 来院時の意識状態はJapan Coma Scaleで3, 血圧74/42mmHg, 心拍数159回/分, 呼吸数54回/分, 体温36.8℃とショック状態であった. 身体所見は発汗著明で, 失禁を認め, 呼吸苦が強く詳細な問診は不可能であったが, 頭痛, 胸痛, 腹痛などの症状はなかった. 10L/分の酸素をリザーバ付マスクにて投与するも経皮的酸素飽和度85%と低値なため気管挿管を施行した. 心電図では洞性頻脈を認めるも明らかな虚血所見はなかった. 胸部レントゲン写真(図1)では心胸郭比60%と軽度拡大はあるが, 肺うっ血はなく, 明らかな心不全像は認められなかった. 右下肺野の透過性は低下しており, シルエットサインが陽性のため, 無気肺あるいは肺炎が疑われた. |
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ISSN: | 1349-8975 1880-2877 |
DOI: | 10.1272/manms.1.135 |