苓桂朮甘湯によりめまい症状の自覚が減少したメニエール病症例

「緒言」慢性的なめまいにおいてはDizziness Handicap Inventory (DHI) 等, 定点的な評価尺度はあるものの, 他領域での日記帳のような連続的な定量評価を行った報告は多くない. 海外ではメニエール病患者がつける日記用のアプリなどが報告され疾患との高い相関性が示されている. 当院ではDHIの他に倫理委員会の了承を得てVAS検査によるめまい日記を2016年12月より導入している. 今回我々は不可逆期のメニエール病症例に対して苓桂朮甘湯を投与し, 連続的なVAS検査を用いてめまい症状の自覚の変動を評価した. 「症例」患者 : 75歳, 男性 主訴 : めまい, 右側難聴...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inEquilibrium Research Vol. 78; no. 6; pp. 590 - 594
Main Authors 川﨑, 泰士, 和佐野, 浩一郎, 都築, 伸佳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 31.12.2019
日本めまい平衡医学会
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「緒言」慢性的なめまいにおいてはDizziness Handicap Inventory (DHI) 等, 定点的な評価尺度はあるものの, 他領域での日記帳のような連続的な定量評価を行った報告は多くない. 海外ではメニエール病患者がつける日記用のアプリなどが報告され疾患との高い相関性が示されている. 当院ではDHIの他に倫理委員会の了承を得てVAS検査によるめまい日記を2016年12月より導入している. 今回我々は不可逆期のメニエール病症例に対して苓桂朮甘湯を投与し, 連続的なVAS検査を用いてめまい症状の自覚の変動を評価した. 「症例」患者 : 75歳, 男性 主訴 : めまい, 右側難聴 現病歴 : 201X-9年8月より上記主訴があり, ステロイド点滴を行うも症状が反復し聴力悪化とめまい頻度増加を繰り返した. ENGでは右半規管麻痺で, MRIやCTの画像検査では明らかな異常を認めず, メニエール病と診断した.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.78.590