脳室腹腔シャント留置中の帝王切開に対する脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔の経験

36歳の女性.先天性水頭症に対して1歳と27歳のときに脳室腹腔(VP)シャント手術を受けた.VPシャントは機能しており,頭蓋内圧亢進症状はなかった.骨盤位妊娠に対して37週6日で帝王切開の予定となった.術前の腹部X線検査で,子宮前面にVPシャントの走行を認めた.VPシャントを有する帝王切開の報告は散見するが,推奨される特定の麻酔方法はない.神経学的徴候と産科的考慮から選択される.今回は,手術開始から児娩出に時間を要すると判断して,脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔を選択した.脊髄くも膜下麻酔はTh3の高位まで達したが,母子ともに問題なく分娩を終了した....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 36; no. 1; pp. 15 - 19
Main Authors 坂本, 篤紀, 山田, 新, 道姓, 拓也, 小坂, 誠, 藤井, 智子, 伊賀, 美季子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.01.2016
Subjects
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.36.15

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Summary:36歳の女性.先天性水頭症に対して1歳と27歳のときに脳室腹腔(VP)シャント手術を受けた.VPシャントは機能しており,頭蓋内圧亢進症状はなかった.骨盤位妊娠に対して37週6日で帝王切開の予定となった.術前の腹部X線検査で,子宮前面にVPシャントの走行を認めた.VPシャントを有する帝王切開の報告は散見するが,推奨される特定の麻酔方法はない.神経学的徴候と産科的考慮から選択される.今回は,手術開始から児娩出に時間を要すると判断して,脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔を選択した.脊髄くも膜下麻酔はTh3の高位まで達したが,母子ともに問題なく分娩を終了した.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.36.15