放射線治療後に高度気道狭窄となった2症例

[要旨] 癌放射線治療の再開後, 浮腫から急激に気道が狭窄し呼吸困難に至った2症例を経験した. 1症例目は換気, 挿管困難に陥り, 輪状甲状膜穿刺を行った後, 気管切開術を施行した. 2症例目は事前にファイバースコピーで気道狭窄を評価し, 経鼻挿管を行った後, 気管切開術を施行した. 再度の放射線治療後には, 重篤な気道狭窄が生じることを念頭に置くべきである. 「はじめに」放射線治療後の遅発性気道狭窄はまれではあるが, 重篤な症状を呈する. 今回, 遅発性の気道狭窄に加え, 放射線治療再開による急性浮腫により呼吸困難となった2症例を経験したので報告する. 「I 症例」<症例1> 3...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 36; no. 1; pp. 11 - 14
Main Authors 島津, 勇三, 服部, 尚士, 松本, 勇貴, 橋本, 和昌, 吉田, 龍, 管, 桂一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.01.2016
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.36.11

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Summary:[要旨] 癌放射線治療の再開後, 浮腫から急激に気道が狭窄し呼吸困難に至った2症例を経験した. 1症例目は換気, 挿管困難に陥り, 輪状甲状膜穿刺を行った後, 気管切開術を施行した. 2症例目は事前にファイバースコピーで気道狭窄を評価し, 経鼻挿管を行った後, 気管切開術を施行した. 再度の放射線治療後には, 重篤な気道狭窄が生じることを念頭に置くべきである. 「はじめに」放射線治療後の遅発性気道狭窄はまれではあるが, 重篤な症状を呈する. 今回, 遅発性の気道狭窄に加え, 放射線治療再開による急性浮腫により呼吸困難となった2症例を経験したので報告する. 「I 症例」<症例1> 38歳の女性. 身長152cm, 体重39kg. 他院で右乳癌と診断され, 右乳房切除および腋窩リンパ節郭清術が行われた. 10カ月後, 経過観察中にCT検査で右頚部リンパ節転移および右頚部皮下転移を認めた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.36.11