胆嚢ポリープの病理分類

胆嚢ポリープは病理学的に,非腫瘍性と腫瘍性に分類される.非腫瘍性ポリープの大多数はコレステロールポリープであるが,泡沫細胞が減少して上皮が増生した,あるいは線維化が強くなった場合に過形成ポリープ,線維性ポリープと呼ばれることがある.炎症に起因するポリープには,肉芽組織ポリープ,fibromyoglandular polyp,リンパ濾胞性ポリープが含まれ,fibromyoglandular polypは上皮や間質の形態によっては過形成ポリープ,化生性ポリープ,線維性ポリープと呼ばれる可能性がある.腫瘍性ポリープの中には幽門腺腺腫,intracystic papillary neoplasm(IC...

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Published in胆道 Vol. 35; no. 4; pp. 602 - 614
Main Author 能登原, 憲司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本胆道学会 31.10.2021
日本胆道学会
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.35.602

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Summary:胆嚢ポリープは病理学的に,非腫瘍性と腫瘍性に分類される.非腫瘍性ポリープの大多数はコレステロールポリープであるが,泡沫細胞が減少して上皮が増生した,あるいは線維化が強くなった場合に過形成ポリープ,線維性ポリープと呼ばれることがある.炎症に起因するポリープには,肉芽組織ポリープ,fibromyoglandular polyp,リンパ濾胞性ポリープが含まれ,fibromyoglandular polypは上皮や間質の形態によっては過形成ポリープ,化生性ポリープ,線維性ポリープと呼ばれる可能性がある.腫瘍性ポリープの中には幽門腺腺腫,intracystic papillary neoplasm(ICPN)が含まれる.幽門腺腺腫はユニークな形態を示す腫瘍で,胆道系では胆嚢に好発する.ICPNは膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の胆嚢カウンターパートとして報告されたが,その組織像はIPMNと異なる点が多く,ポリープ型胆嚢癌を包括する可能性があることに注意が必要である.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.35.602