局所麻酔下胸腔鏡検査による胸膜生検で診断したIgG4関連胸膜炎の1例

背景.IgG4関連疾患はIgG4陽性形質細胞浸潤を様々な臓器に認める病態であり,IgG4関連呼吸器疾患の確定診断には気管支鏡下肺生検や外科的生検による病理学的診断が必要である.症例.15年前より高γグロブリン血症を指摘されていた82歳男性.約半年前より利尿薬に反応しない両側胸水を認めていた.血液中のIgG,IgG4と胸水中のIgGが上昇しており,局所麻酔下胸腔鏡検査を施行した.茶褐色に変色した病変より胸膜生検を施行し,組織よりIgG4陽性形質細胞浸潤を認めたことから,IgG4関連胸膜炎と診断した.その後,プレドニゾロン(PSL)の投与で胸水は改善した.結論.局所麻酔下胸腔鏡検査による胸膜生検は...

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Published in気管支学 Vol. 44; no. 2; pp. 153 - 159
Main Authors 仲村, 泰彦, 本橋, 巧, 一色, 琢磨, 関口, 亮, 卜部, 尚久, 本間, 栄, 高井, 雄二郎, 坂本, 晋, 岸, 一馬, 磯部, 和順
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.03.2022
日本呼吸器内視鏡学会
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.44.2_153

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Summary:背景.IgG4関連疾患はIgG4陽性形質細胞浸潤を様々な臓器に認める病態であり,IgG4関連呼吸器疾患の確定診断には気管支鏡下肺生検や外科的生検による病理学的診断が必要である.症例.15年前より高γグロブリン血症を指摘されていた82歳男性.約半年前より利尿薬に反応しない両側胸水を認めていた.血液中のIgG,IgG4と胸水中のIgGが上昇しており,局所麻酔下胸腔鏡検査を施行した.茶褐色に変色した病変より胸膜生検を施行し,組織よりIgG4陽性形質細胞浸潤を認めたことから,IgG4関連胸膜炎と診断した.その後,プレドニゾロン(PSL)の投与で胸水は改善した.結論.局所麻酔下胸腔鏡検査による胸膜生検はIgG4関連胸膜炎の診断に有用であり,本疾患を疑った場合は考慮すべきである.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.44.2_153