広基性隆起を呈した早期胆嚢癌

症例は80歳女性. 近医でスクリーニング目的に施行した腹部超音波検査で胆嚢隆起性病変を認め, 精査目的に当センター紹介となった. 初診時の血液検査では, 血算生化学検査は正常範囲内であり, 腫瘍マーカーの上昇も認めなかった(CEA 1.6ng/mL, CA19-9 9.5U/mL). 腹部US:胆嚢底部に広基性の隆起性病変を認める. 輪郭は不整で乳頭状を呈し, 内部エコーは均一で周囲肝と比較し等~やや高輝度である. カラードプラー法での観察で内部に検出可能な血流を認めなかった. 造影CT:胆嚢底部に径18mmの広基性腫瘤を認める. 同病変は単純相でも指摘可能であり, 早期相から持続する均一な造...

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Published in胆道 Vol. 36; no. 4; pp. 577 - 581
Main Authors 金, 俊文, 篠原, 敏也, 潟沼, 朗生, 安保, 義恭, 安藤, 遼, 高田, 実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本胆道学会 31.10.2022
日本胆道学会
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.36.577

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Summary:症例は80歳女性. 近医でスクリーニング目的に施行した腹部超音波検査で胆嚢隆起性病変を認め, 精査目的に当センター紹介となった. 初診時の血液検査では, 血算生化学検査は正常範囲内であり, 腫瘍マーカーの上昇も認めなかった(CEA 1.6ng/mL, CA19-9 9.5U/mL). 腹部US:胆嚢底部に広基性の隆起性病変を認める. 輪郭は不整で乳頭状を呈し, 内部エコーは均一で周囲肝と比較し等~やや高輝度である. カラードプラー法での観察で内部に検出可能な血流を認めなかった. 造影CT:胆嚢底部に径18mmの広基性腫瘤を認める. 同病変は単純相でも指摘可能であり, 早期相から持続する均一な造影効果を認める. 腹部MRI/MRCP:胆嚢底部の隆起性病変はT1/T2強調像で低信号, 拡散強調像(Diffusion-weighted image, DWI)で高信号を呈する.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.36.577