内頸静脈並びに腕頭静脈に腫瘍塞栓を形成した腎細胞癌の甲状腺転移の 1 例

内頸静脈から腕頭静脈に腫瘍塞栓を伴った腎細胞癌の甲状腺転移の 1 例を報告する. 症例は 70 歳代の男性. 約 20 年前に右腎細胞癌にて手術歴がある. 初診の約 7 ヵ月前から右頸部腫脹を自覚していたが, 約 1 ヵ月前から頸部腫脹の増大と嗄声が出現し来院. 造影 CT 検査では, 甲状腺右葉と喉頭を中心に造影不均一な腫瘍を認め, 内頸静脈から腕頭静脈に血栓を認めた. 吸引細胞診では腎細胞癌が疑われると診断された. 甲状腺全摘術と喉頭全摘出術を施行した. 腕頭静脈内の血栓は除去し, 内頸静脈は切除した. 病理組織学的検査より腎細胞癌の甲状腺転移および内頸静脈と腕頭静脈腫瘍塞栓と診断した....

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Published inStomato-pharyngology Vol. 30; no. 1; pp. 79 - 84
Main Authors 馬越, 瑞夫, 牧瀬, 高穂, 永野, 広海, 黒野, 祐一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 31.03.2017
Japan Society of Stomato-pharyngology
Subjects
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology.30.79

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Summary:内頸静脈から腕頭静脈に腫瘍塞栓を伴った腎細胞癌の甲状腺転移の 1 例を報告する. 症例は 70 歳代の男性. 約 20 年前に右腎細胞癌にて手術歴がある. 初診の約 7 ヵ月前から右頸部腫脹を自覚していたが, 約 1 ヵ月前から頸部腫脹の増大と嗄声が出現し来院. 造影 CT 検査では, 甲状腺右葉と喉頭を中心に造影不均一な腫瘍を認め, 内頸静脈から腕頭静脈に血栓を認めた. 吸引細胞診では腎細胞癌が疑われると診断された. 甲状腺全摘術と喉頭全摘出術を施行した. 腕頭静脈内の血栓は除去し, 内頸静脈は切除した. 病理組織学的検査より腎細胞癌の甲状腺転移および内頸静脈と腕頭静脈腫瘍塞栓と診断した. 甲状腺腫瘍において腎細胞癌の既往がある場合には手術から長期間過ぎていても鑑別に考慮する必要がある.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.30.79