返却から払い出しまで自動一元化した返品薬払出機の有用性に関する検討

「緒言」注射剤は血管等に直接投与ができる薬剤であり, 内用剤と比べて即効性に優れるほか, 患者の意識レベルにかかわらず緊急時にも投与ができる有効な薬剤である. そのため, 医療機関では日頃から多くの注射剤が処方されているが, 調剤後の処方の重複や治療方針の変更, 患者の体調変化, もしくは退院といった様々な理由から, 未使用のまま返却される場合も少なくない. また, 病棟や外来処置室には緊急用に常備薬が幾つかストックされているが, このなかには長期間保管されたものが含まれており, それらが薬剤部へ返却される可能性もある. そのため, 薬剤部では返却薬について再び払い出しが可能かどうか薬品名や規...

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Published in医療薬学 Vol. 46; no. 2; pp. 84 - 92
Main Authors 篠原, 尚樹, 山口, 佳津騎, 加地, 雅人, 内藤, 寛, 北村, 光一, 田中, 裕章, 芳地, 一, 高橋, 功一, 野崎, 孝徒, 水川, 奈己, 樋口, 和子, 小坂, 信二, 井上, 達也, 立道, 貴清
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.02.2020
日本医療薬学会
Subjects
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.46.84

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Summary:「緒言」注射剤は血管等に直接投与ができる薬剤であり, 内用剤と比べて即効性に優れるほか, 患者の意識レベルにかかわらず緊急時にも投与ができる有効な薬剤である. そのため, 医療機関では日頃から多くの注射剤が処方されているが, 調剤後の処方の重複や治療方針の変更, 患者の体調変化, もしくは退院といった様々な理由から, 未使用のまま返却される場合も少なくない. また, 病棟や外来処置室には緊急用に常備薬が幾つかストックされているが, このなかには長期間保管されたものが含まれており, それらが薬剤部へ返却される可能性もある. そのため, 薬剤部では返却薬について再び払い出しが可能かどうか薬品名や規格, 汚れ, 破損の有無に加え, 使用期限の確認が必須となるが, 多忙な業務のなかでこのような返却処理に要する労力は非常に大きい. また, これらの作業は目視確認で行われるため見落としのリスクが存在することから, 安全性の担保も非常に重要な課題となっている.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.46.84