局所麻酔下胸腔鏡にて診断し得た腎盂癌胸膜転移の1例

背景．癌性胸膜炎の診断は胸水細胞診が一般的であるが，その陽性率は60％前後とされており高くない．今回我々は，局所麻酔下胸腔鏡にて腎盂癌の胸膜転移と診断が確定した1例を経験した．症例．67歳，女性．金沢市立病院（以下，当院）泌尿器科で201X－1年12月に右腎盂尿管癌と診断され腎盂尿管摘除術の後，化学療法が施行された．201X年11月，咳嗽および労作時呼吸困難にて当院呼吸器内科に精査加療目的で入院となった．胸部単純写真で左胸水を認め，胸水細胞診は陰性であった．Positron emission tomography-computed tomography（PET-CT）を施行したところ胸膜にfl...

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Published in気管支学 Vol. 43; no. 6; pp. 624 - 629
Main Authors 古荘, 志保, 野村, 智, 中積, 泰人, 長岡, 愛子, 安井, 正英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.11.2021
日本呼吸器内視鏡学会
Subjects
局所麻酔下胸腔鏡
癌性胸膜炎
胸膜転移
腎盂癌
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.43.6_624

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Summary:背景．癌性胸膜炎の診断は胸水細胞診が一般的であるが，その陽性率は60％前後とされており高くない．今回我々は，局所麻酔下胸腔鏡にて腎盂癌の胸膜転移と診断が確定した1例を経験した．症例．67歳，女性．金沢市立病院（以下，当院）泌尿器科で201X－1年12月に右腎盂尿管癌と診断され腎盂尿管摘除術の後，化学療法が施行された．201X年11月，咳嗽および労作時呼吸困難にて当院呼吸器内科に精査加療目的で入院となった．胸部単純写真で左胸水を認め，胸水細胞診は陰性であった．Positron emission tomography-computed tomography（PET-CT）を施行したところ胸膜にfluorodeoxyglucose（FDG）集積が認められ胸膜転移が疑われた．局所麻酔下胸腔鏡にて白色隆起性病変を複数認め，生検組織より腎盂癌の胸膜転移と診断された．結論．腎盂癌の胸膜転移例は稀ではあるが，局所麻酔下胸腔鏡は診断において有用であった．
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.43.6_624