上腕内側軟部腫瘍切除術に対して腕神経叢ブロックとMTPブロックで麻酔管理したアスピリン喘息の1例
アスピリン喘息は,非ステロイド性抗炎症薬などの薬剤や種々の食品添加物などを誘因に,重篤な喘息発作をきたす慢性炎症性気道疾患である.MTPブロックは,胸椎横突起の肋骨付着部付近で上肋横突靱帯背側に薬液を注入することで,傍脊椎ブロックと類似した効果を得る手技である.全身麻酔下手術時の複数回の喘息発作既往があるアスピリン喘息患者の上腕内側軟部腫瘍切除術を区域麻酔+鎮静で計画した.上腕内側は内側上腕皮神経と肋間上腕神経に支配されるため,同部位の手術は,腕神経叢ブロックのみでは鎮痛不十分である.腕神経叢ブロックとMTPブロックの併用で,良好な鎮痛を得ながら周術期に喘息発作を生ずることなく管理できた....
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Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 42; no. 2; pp. 141 - 147 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床麻酔学会
15.03.2022
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Subjects | |
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ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
DOI | 10.2199/jjsca.42.141 |
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Summary: | アスピリン喘息は,非ステロイド性抗炎症薬などの薬剤や種々の食品添加物などを誘因に,重篤な喘息発作をきたす慢性炎症性気道疾患である.MTPブロックは,胸椎横突起の肋骨付着部付近で上肋横突靱帯背側に薬液を注入することで,傍脊椎ブロックと類似した効果を得る手技である.全身麻酔下手術時の複数回の喘息発作既往があるアスピリン喘息患者の上腕内側軟部腫瘍切除術を区域麻酔+鎮静で計画した.上腕内側は内側上腕皮神経と肋間上腕神経に支配されるため,同部位の手術は,腕神経叢ブロックのみでは鎮痛不十分である.腕神経叢ブロックとMTPブロックの併用で,良好な鎮痛を得ながら周術期に喘息発作を生ずることなく管理できた. |
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ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.42.141 |