気管支鏡で診断した特発性びまん性肺骨化症の1例

背景.びまん性肺骨化症は肺野にびまん性に微石症類似の高吸収域の小粒状影を来す稀少疾患である.高齢男性に好発することが多いとされるが基礎疾患を伴わない若年例の症例も散見される.非常にまれな疾患であり原因や予後については不明な点が多い.症例.20歳,男性.胸部単純X線写真で異常陰影を指摘された.両側肺の粒状影が増悪したため気管支鏡検査を行った.経気管支肺生検にて脂肪髄を伴う骨化巣を認めた.結論.気管支鏡にて診断しえた特発性びまん性肺骨化症の症例を経験した.本疾患は気管支鏡検査で診断しえた症例が少ないが,外科的生検より侵襲の少ない気管支鏡検査を行うことで,より早期に診断が得られる可能性がある.気管支...

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Published in気管支学 Vol. 44; no. 4; pp. 279 - 284
Main Authors 笠原, 寿郎, 木場, 隼人, 中井, 知帆香, 米田, 太郎, 矢野, 聖二, 森田, 弘子, 渡辺, 知志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.07.2022
日本呼吸器内視鏡学会
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.44.4_279

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Summary:背景.びまん性肺骨化症は肺野にびまん性に微石症類似の高吸収域の小粒状影を来す稀少疾患である.高齢男性に好発することが多いとされるが基礎疾患を伴わない若年例の症例も散見される.非常にまれな疾患であり原因や予後については不明な点が多い.症例.20歳,男性.胸部単純X線写真で異常陰影を指摘された.両側肺の粒状影が増悪したため気管支鏡検査を行った.経気管支肺生検にて脂肪髄を伴う骨化巣を認めた.結論.気管支鏡にて診断しえた特発性びまん性肺骨化症の症例を経験した.本疾患は気管支鏡検査で診断しえた症例が少ないが,外科的生検より侵襲の少ない気管支鏡検査を行うことで,より早期に診断が得られる可能性がある.気管支鏡所見も含めて診断の参考になりうると考える.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.44.4_279