掌蹠膿疱症と歯周治療
「【1】掌蹠膿疱症について」掌蹠膿疱症 (palmoplantar pustulosis : 以下PPP) は手掌や足蹠部に鱗屑 (りんせつ) を伴う限局性紅斑と多発性無菌膿疱を特徴とする疾患である. 一般に40~50歳代に発症ピークがあるとされるPPPではあるが, 20~30歳代に発症することもある. 重症化すると爪の変形, 膿疱周辺部の疼痛やかゆみを伴う. さらに足蹠部の病変が拡大すると歩行が困難となる場合もある. まれに重症例として下位肋骨や鎖骨に対する疼痛を伴う関節症を併発する. 膿疱部の病理組織学所見としては表皮内に水疱が形成され, 内部に好中球が集積している. Kubotaらの,...
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Published in | 日本歯周病学会会誌 Vol. 60; no. 3; pp. 131 - 138 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
28.09.2018
日本歯周病学会 |
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ISSN | 0385-0110 1880-408X |
DOI | 10.2329/perio.60.131 |
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Summary: | 「【1】掌蹠膿疱症について」掌蹠膿疱症 (palmoplantar pustulosis : 以下PPP) は手掌や足蹠部に鱗屑 (りんせつ) を伴う限局性紅斑と多発性無菌膿疱を特徴とする疾患である. 一般に40~50歳代に発症ピークがあるとされるPPPではあるが, 20~30歳代に発症することもある. 重症化すると爪の変形, 膿疱周辺部の疼痛やかゆみを伴う. さらに足蹠部の病変が拡大すると歩行が困難となる場合もある. まれに重症例として下位肋骨や鎖骨に対する疼痛を伴う関節症を併発する. 膿疱部の病理組織学所見としては表皮内に水疱が形成され, 内部に好中球が集積している. Kubotaらの, 565,903名に上る大規模データ解析では, 日本人のPPP有病率は0.12%であり, その発生には季節性があるとされている. 海外ではPPPは汎発型膿疱性乾癬と同義であるとの認識もあるが, HLA解析によりPPPは乾癬と異なる遺伝子背景を持っており, 本邦では異なる疾患とみなされている. |
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ISSN: | 0385-0110 1880-408X |
DOI: | 10.2329/perio.60.131 |