蛋白漏出性胃腸症を伴った悪性リンパ腫の1例
「はじめに」蛋白漏出性胃腸症は比較的稀な疾患であり, 様々な疾患が原因になりうる. 今回我々は悪性リンパ腫に蛋白漏出性胃腸症を伴った症例を経験したため報告する. 「症例」患者:50歳代, 男性. 主訴:下腿浮腫, 体重減少. 既往歴:特記事項なし. 現病歴:平成21年7月より夜間に増悪する下腿浮腫を認め当院受診. 受診時の血液検査で, 低蛋白血症及び血清アミラーゼ高値を認めたため, 同年8月精査入院となった. 入院時身体所見:身長170.4cm, 体重57kg(5年間で14kg減). 両下腿圧痕浮腫あり. 表在リンパ節は触知せず. 胸腹部異常所見なし. 入院時血液検査:低アルブミン血症(2.2...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 77; no. 2; pp. 116 - 117 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2010
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.77.2_116 |
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Summary: | 「はじめに」蛋白漏出性胃腸症は比較的稀な疾患であり, 様々な疾患が原因になりうる. 今回我々は悪性リンパ腫に蛋白漏出性胃腸症を伴った症例を経験したため報告する. 「症例」患者:50歳代, 男性. 主訴:下腿浮腫, 体重減少. 既往歴:特記事項なし. 現病歴:平成21年7月より夜間に増悪する下腿浮腫を認め当院受診. 受診時の血液検査で, 低蛋白血症及び血清アミラーゼ高値を認めたため, 同年8月精査入院となった. 入院時身体所見:身長170.4cm, 体重57kg(5年間で14kg減). 両下腿圧痕浮腫あり. 表在リンパ節は触知せず. 胸腹部異常所見なし. 入院時血液検査:低アルブミン血症(2.2g/dl), 高アミラーゼ血症(1064IU)を認め, ほか膵酵素についても膵型アミラーゼ(489U/l), リパーゼ(70U/l), エラスターゼ(590ng/dl)と高値であった(Table1). 下部内視鏡:回腸末端に多発する小びらん・小潰瘍を認めた(Color 1a). カプセル内視鏡:全小腸にわたって小びらんの多発を認めた(Color 1b). |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.77.2_116 |