1型自己免疫性膵炎に合併する胆管病変の狭窄部位からみた臨床像と長期予後
1型自己免疫性膵炎(AIP)159例について胆管病変の有無による臨床像を比較し,長期予後を検討した.89例(56%)に胆管病変を認め,胆管病変合併例ではCA19-9が有意に高く(P<0.001),ステロイド投与率が有意に高かった(P=0.001).中央値42.9カ月の観察期間で再燃を49例(30.8%)に認め,膵内胆管より上流まで狭窄・壁肥厚を認めた症例で有意に累積再燃率が高く(3年:24% vs. 37.1%,P<0.001),2回以上再燃する率も高かった(5.1% vs. 19.5%,P=0.01).再燃例の多くはステロイド増量により改善したが,肝内胆管まで狭窄・拡張を認めた2例でステロイ...
Saved in:
Published in | 胆道 Vol. 37; no. 4; pp. 754 - 762 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本胆道学会
31.10.2023
日本胆道学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando.37.754 |
Cover
Summary: | 1型自己免疫性膵炎(AIP)159例について胆管病変の有無による臨床像を比較し,長期予後を検討した.89例(56%)に胆管病変を認め,胆管病変合併例ではCA19-9が有意に高く(P<0.001),ステロイド投与率が有意に高かった(P=0.001).中央値42.9カ月の観察期間で再燃を49例(30.8%)に認め,膵内胆管より上流まで狭窄・壁肥厚を認めた症例で有意に累積再燃率が高く(3年:24% vs. 37.1%,P<0.001),2回以上再燃する率も高かった(5.1% vs. 19.5%,P=0.01).再燃例の多くはステロイド増量により改善したが,肝内胆管まで狭窄・拡張を認めた2例でステロイド依存性となり,アザチオプリンを併用した.膵内胆管より上流まで狭窄・壁肥厚を認める1型AIPでは再燃を繰り返す率が高く,特に肝内胆管まで狭窄・拡張を認める症例ではステロイド依存性となり得る. |
---|---|
ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.37.754 |