真の後交通動脈瘤の2例
「はじめに」 真の後交通動脈瘤は全動脈瘤の0.1-2.8%で, 後交通動脈瘤の4.6-10.9%とまれである1)3)6). われわれは, くも膜下出血で発症した1例と多発性未破裂脳動脈瘤での1例を経験した. 同動脈瘤の形態学的特徴や治療方針に関し文献的考察を加えて報告する. 「症例提示」 〈症例1〉 73歳, 女性. 主訴:突然の頭痛, 嘔気, 嘔吐. 既往歴:高血圧, 発作性心房細動, 僧房弁閉鎖不全症. 現病歴:昼食後に突然の頭痛を自覚し, 症状が改善せず嘔気, 嘔吐を認め救急搬送となった. 入院時現症: Japan Coma Scale (JCS) : 1, Glasgow Coma S...
Saved in:
Published in | 脳卒中の外科 Vol. 40; no. 2; pp. 129 - 134 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2012
日本脳卒中の外科学会 |
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 「はじめに」 真の後交通動脈瘤は全動脈瘤の0.1-2.8%で, 後交通動脈瘤の4.6-10.9%とまれである1)3)6). われわれは, くも膜下出血で発症した1例と多発性未破裂脳動脈瘤での1例を経験した. 同動脈瘤の形態学的特徴や治療方針に関し文献的考察を加えて報告する. 「症例提示」 〈症例1〉 73歳, 女性. 主訴:突然の頭痛, 嘔気, 嘔吐. 既往歴:高血圧, 発作性心房細動, 僧房弁閉鎖不全症. 現病歴:昼食後に突然の頭痛を自覚し, 症状が改善せず嘔気, 嘔吐を認め救急搬送となった. 入院時現症: Japan Coma Scale (JCS) : 1, Glasgow Coma Scale (GCS) : 14 (E3V5M6)で, 明らかな麻痺は認めなかった. 神経放射線所見および手術所見:入院時頭部CTでは, 鞍上部槽, 両側のシルビウス裂, 迂回槽および大脳半球裂に及ぶくも膜下出血を認め(Fisher group 3), 脳血管撮影では全体的に動脈硬化が強く, 後交通動脈はfetal typeであり, 左内頚動脈-後交通動脈分岐部に外側下向きにややblebが後交通動脈向きにある頚部が3.5mmで長径が4.0mmの動脈瘤を疑われた(Fig. 1). |
---|---|
ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.40.129 |