急性期血栓回収術におけるNBCAを用いた動脈穿孔のトラブルシューティング

• Published in: 脳卒中の外科 Vol. 48; no. 5; pp. 375 - 378
• Main Authors: 岩田, 亮一, 佐々木, 庸, 永島, 宗紀, 矢野, 達也, 鈴木, 聡, 江口, 貴博, 宮崎, 晃一, 栗林, 厚介, 須山, 武裕, 淺井, 昭雄
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2020; 日本脳卒中の外科学会
• Subjects: ischemic stroke; NBCA; neuroendovascular therapy; vessel injury
• ISSN: 0914-5508; 1880-4683
• DOI: 10.2335/scs.48.375

「はじめに」 脳血管主幹動脈閉塞に対する血管内治療による血栓回収術の有効性が複数のランダム化比較試験で証明されており, 積極的な治療介入が必要である. 再開通率の向上と再開通までの時間短縮がきわめて重要であるが, 閉塞血管を開通させる際には血管穿孔などの出血性合併症が危惧される. 今回われわれは, 血栓回収術でマイクロカテーテルによる血管穿通をきたした際に, NBCA(n-butyl-2-cyanoacrylate)を用いて緊急止血を行い得た症例を報告する. 「症例」 患者 : 86歳, 男性. 主訴 : 突然の左片麻痺. 既往歴, 家族歴 : なし. 現病歴 : 突然の左片麻痺にて救急要請され, 発症後30分で当院へ搬送となった. 入院時現症 : 意識障害Japan Coma Scale(JCS)1-3と左片麻痺(徒手筋力テスト2/5), 構音障害, 左半側空間無視を認め, National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)スコア16点であった.